「髪が硬くて膨らむとショートヘアにはむいていない」そう言われて諦めてしまった方がとても多いです。でも、膨らむ特徴をいかせば最適なものになることもあります。
大事なのは、髪質に合った髪型にすること。ペタンコでストンとした髪型にはむいていないけど、丸みがあり適度なボリュームのある髪型にはむいています。
まずは、髪質の特徴を知り、それに合うものが何かを考えることから始まります。
膨らむ=ボリュームが出る
膨らむってそんなに悪いのかなーと感じます。
コンパクトな髪型も多いけど、同じくらいふんわりボリュームがあるものもあります。ヘアスタイルには適度なボリュームが必要で、それが骨格や顔のバランスを整えてくれます。
でも、それが嫌われる理由はボリュームが出すぎてしまうから。必要以上に膨らんでしまうから頭や顔が大きく見えてしまう。これが誤解を生んでしまうのかなと。
美容師をしていて、ボリュームを無くすより増やす方が大変だと感じます。減らすのはカットやスタイリング剤を使えばできるけど、増やすのは自宅でのセットに頼る部分が大きいからです。
重力に逆らう大変さ
ボリュームを出すことは、言い換えれば重力に逆らうことです。
これをするためにハードスプレーで固めたり、カーラーやアイロンで巻いてくせをつけなくてはなりません。
髪を膨らませるために大変な思いをしてやっている方がほとんどです。
でも、膨らみやすい髪は重力に逆らいやすい。乾かせばボリュームが出るので、セットがもっと手軽にできます。
「こんなショートに向いている髪質は他にあるのだろうか?」そんな風に思っています。
余分な膨らみをカットする
膨らむといっても全ての髪の毛が膨らんでいるわけではありません。頭の部分によってその強さは違うため、まずは以下のことを確認します。
- この髪はヘアスタイルを作る上で必要なものか、そうでないか
- どこの長さで切ったら1番髪の収まりがいいか
- ボリュームが出ない髪はどこか
髪の毛はボリュームが出る部分と出ない部分に分かれます。ショートにする時に大切なことは、膨らまない髪を残し、膨らむ髪を減らすか。膨らまない髪が多ければ必要以上にボリュームが出ることはなくなります。
膨らむ部分はハチ周りや耳後ろがほとんど。ここの毛量を整えるとおさまりが良くなります。
あご下は膨らむ可能性が大きい
短くして膨らむ原因の一つとして、「膨らむから長めにしておこう」があります。
特に多いのがあご下のボブ。これが膨らむNO1のヘアスタイルです。
膨らむ髪質は伸びると下にボリュームがどんどん増えてしまいます。鎖骨下まで伸びてしまえば重さでおさまり良くなるけど、あご下〜肩上まではそうはいきません。
なので中途半端の切るよりも しっかりと短くした方がコンパクトになりやすいですね。勇気を出してあご上まで切ることが満足できる近道かなと思います。
スタイリング剤の重要性
膨らむ髪にも種類がたくさんあり、それぞれ特徴があります。
それに合ったスタイリング剤を使うとまとまりが格段に良くなるので、そのご提案もしています。
髪質、髪型、スタイリング剤の相性がそれぞれ合うと毎朝のセットはやりやすくなるのでとても重要。
ワックス、オイル、ミルクなどたくさんありますよね。自分では何を使っていいかわからないと思うので、髪型だけでなくこれのご説明も欠かせないと考えています。
膨らむ髪は素晴らしい素材だ!
膨らむ髪を利用して後頭部を丸く仕上げました。
- 髪が多く膨らみ、乾燥している
- ハチが張っている
- えりあしにも浮きグセがある
肩上で広がる髪をすっきりとまとめました。
- 耳後ろ、ハチ下の毛量が多い
- すそが膨らむくせ
- うねるくせがある
「短くできないよ」と言われ続けてきた方を短くしました。
- 膨らむ乾燥毛
- 短くすると浮きやすいえりあし
- ハチ下の毛量が多い
膨らむボブをカットしてコンパクトにしました。
- 後ろの毛量がかなり多い
- 乾燥して膨らむ
- すそが膨らむくせ
浮くえりあしをすっきりさせました。
- えりあしが上に向いている
- 毛量がとにかく多い
- 髪が多く太く硬い
カウンセリングを大切に
とはいえ、短くすることは不安だし勇気が必要ですよね。過去に失敗したことがあればなおさらです。
なのでカウンセリングがとても重要です。ひとりひとり背景が違うので、今までの話を聞いてから合うものをご提案しています。
自分では嫌だと思った髪質でも、気に入る髪型になれたらこれからの不安はなくなります。
髪型は悩むものではなく楽しむもの。多くの方に感じてもらえるよう、いいデザインを作っていきたいなと思います。